未来世紀ブラジル

中学生の時に好きな作家の影響で始めてみて以来、高校生時代に劇場で2度ほど見て、
その後も映画好きの人(主に男性、女性には薦めたことはない。。と思う。)と話したり、
話題にしたりしたときに見ている映画。
とても映画らしい映画。
昔は当たり前だったのかもしれないが、映画館に行って映画を見た(全然知らない)人たちと場を共有した感覚があったのはこの映画のリバイバルだけだった。
高校生時代に薦めた先輩たちはすべてを見ることはなくノックアウトされ、大学生の時の先輩は、数回見ても頭に入らなかったと語っていた。後輩二人は私の影響を受けたのか趣味があったのか、その後ブラジル的なものについてよく語ってくれた。
そういや、押井守全仕事とかいうムックでもギリアムと押井守の共通点を語っている人がいたな。それはあんたが好きな人たちを人くくりにしたかっただけだろう。大学の先生がフラクタル圧縮と回路設計とマルチメディアを一くくり
閑話休題。映画館に行ったときの話だった。

高校1年生か2年生の頃。
1999年夏人々は溶けたアスファルトの上を歩いていた。「酷く暑い」

一度目の映画館は若者向け繁華街、親不孝通り。その地下の映画館で上映された。
レイトショーの最終日。高校の先輩(id:bvl氏)に教えてもらったのだったと思う。(当日の夜20時に
偶然にも私が入ると満席だった。
見れば一人客の他にもアベックや女友達3人組などいて、見るからに帰宅時の雰囲気が思いやられる。(前述したけれど、女子供にはお勧めできない映画だということをこのころの私は既に知っていた。そのころは私自身今からおもえば子供だったが。)
上映の序盤、館内では全員食い入るように画面を見つめ、身じろぎせず、飲み食いするおともまったく聞こえなかった。
そして中盤にさしかかってくると、気心?がしれてきたのか、笑いのツボでみんな画面を見ながら同時に笑う。一斉に笑う。これが映画を見るということか思いながら私も笑う。

そして目のくらむような幕引きを越え、帰宅の途に着くと先ほどの3人娘と思しき一団がくちぐちに、駅に歩きながらも映画の感想を夢見心地に語っていた。

アベックたちも映画好きカップルだったのか(信教の違いによる)愁嘆場やら修羅場やらににはならずにすんだようで私自身、世界の安定を感じながら地下鉄に揺られて帰宅したのだった。。。


そして数年後。。。今度は博多駅バスセンターの天辺のゲームセンターにいると、2度目のレイトショー、最終日、またもや最後の客だった。。(今日のところはこの辺で。この辺のエピソードを喚起させてくれたid:bvl氏に感謝。)